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「これから始まるHKT48の大量脱退劇」と「目の上の瘤として菅本裕子」

平和なHKT48という砂上の楼閣

2013/3/20に『スキ!スキ!スキップ!』でCDデビューが決まったHKT48。驚くべきことに、未だ自分から辞めたメンバーはいない。元最人気メンバー・菅本裕子さんを含む5人が脱退したHKT48騒動は黒歴史ではあるものの、それを除いたならば、指原莉乃さんの移籍も成功した今、HKT48は概ね「平和である」と言える。しかしながらCDデビューすれば、そうした状況は一変するだろう。


●積極的に脱退したメンバーがいない理由
1〉推されメンバーと干されメンバーの間の仕事量や人気の格差がまだ小さく、また実績もないことから、皆がまだ「逆転は可能だ」と期待して活動しているから。
2〉楽しいメディア仕事が多く、まだ握手会地獄を体験していないから。


●CDデビューによる環境の変化
1〉選抜メンバーは固定され、報われない不満が嫉妬と憎悪を生む。
2〉握手会地獄が始まる。


CDデビュー後に巻き起こるであろう様々な不満や鬱屈から、HKT48における人間関係はようやくドロドロとしたものになると予想される。




「HKT48のCDデビュー」を利用した菅本裕子の再デビュー計画

●2013/1/16  SKE48大量離脱の裏で早くも動く「再デビュー」メンバー――メンズサイゾー

「昨年(注――2012年)HKTを脱退して今春高校を卒業予定の菅本裕子も、大手事務所のOなど複数の事務所が接触している。料理を学ぶ東京の専門学校への進学が決まっていますが、上京と同時に時期を見て再デビュー予定だそうです。料理のできるロリ巨乳タレントということで、水着グラビアやバラエティ出演をこなしていきそうですね。彼女の場合は自分から積極的に新しい所属事務所を訪ね歩いたようですよ。ほんわかした外見とは違ってかなりガツガツした性格みたいなので、案外、AKBの先輩たちよりもタレントとして成功してしまうかも」



●2013/2/23  元HKT菅本裕子 お料理タレントで再デビュー「いつか研究家に」――スポニチ アネックス

元HKT48の菅本裕子(18)が23日(注――2013/2/23)、料理タレントとして再び芸能界デビューすることを自身のツイッターで発表した。

「みなさん!ゆうこは、お料理タレントとして、デビューさせていただく事になりました!」と報告。“ゆうこす”の愛称で親しまれ、人気メンバーだった菅本は昨年(注――2012年)8月にHKT48を脱退。投稿サイト「ユーチューブ」で自身の動画を公開し、メールなどで特定のファンと交流したことから脱退を申し出たと説明していた。

グループ卒業後は、料理の道に進みたいと公言。夢への一歩を踏み出し、「凄く嬉しいです!まだまだ料理が好きなだけなので、これからもっと勉強して行きます!いつか、料理研究家になってみせます!」と意気込みを語っている。



   ▼『コレカラ』――「HKT48の課外授業」(2012/6/1放送分)より
   



●関連記事
 → HKT48騒動





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大阪高裁でマジキチ判決「ブラック企業と評価されてしまうから、過労死があった企業名は明かせない」

過労死を出した企業は倒産させろよ!

●2013/1/6  過労死撲滅か“ブラック企業”風評防止か 企業名開示訴訟で分かれた判断――SankeiBiz

「悲惨な過労死を少しでも減らしたい」「ブラック企業と評価される」―。社員が過労死した企業名の開示をめぐり、大阪地・高裁で判断が分かれた。

「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さん(63)が、社員が過労死の認定を受けた企業名を大阪労働局が開示しなかったのは違法として、国に対して不開示決定の取り消しを求めた訴訟。1審大阪地裁は企業名の開示を命じたが、2審大阪高裁は原告側の請求を棄却する逆転敗訴の判決を出した。寺西さんは「企業名が開示されるようになれば過労死に歯止めがかかる」と訴えており、最高裁に上告。最後まで戦い抜く決意を固めている。

■黒塗りの企業名

「真面目に働く人が過労死で亡くなっていく。命がいくつあっても使い捨てにされるばかりだ」

昨年(注――2012年)11月29日、高裁判決を受けて大阪市内で記者会見した寺西さんは、悔しさをあらわにした。

寺西さんは、平成21年3月、脳や心臓の疾患などによる過労死があった複数の企業名について大阪労働局に情報公開を請求した。しかし、労働局は個人情報が明らかになることなどを理由として文書の企業名を黒塗りに。これを不服とした寺西さんは同年11月、不開示とした決定を取り消すよう求めて地裁に提訴した。

労働局の上位機関である国側は「企業名が開示されれば、取引先から不利な扱いを受けるほか、人材確保でも影響が出る」などと主張。寺西さんは「開示は再発防止の第一歩。労働者を過労死から守る利益の方が大きい」と訴えた。その結果、地裁は23年11月、「個人や法人の利益を害する不開示情報にはあたらない」として、労働局の不開示決定を取り消す判決を言い渡した。「企業評価に直結する情報ではなく、企業名だけで過労死した社員を特定することもできない」という判断だった。

原告側弁護団によると、過労死のあった企業名の開示を命じる判決は全国で初めて。寺西さんは「過労死を繰り返さない社会へ向けた大きな前進だ」と評価した。

■「ブラック企業と評価される」と逆転敗訴

しかし、国側の控訴を受けた高裁は昨年11月、「会社に過失や違法行為がない事案でも、一般には否定的に受け止められ、ブラック企業との評価を受けて信用が低下することもある」として1審判決を取り消し、原告側の訴えを棄却する判決を言い渡した。

高裁判決は、1審と異なり、「規模の小さい会社では、同僚や取引先などに過労死した個人が特定されうる」と認定したほか、「開示されることになれば、企業側が労災の調査に協力しなくなり、(調査を行う)労働基準監督署の業務に支障が出るおそれがある」とも述べた。

寺西さんは「高裁判決は大切な人の命が失われたことに何も触れていない。もっと働く人の命を大切にしてほしい」と憤る。原告側弁護団も「過労死を出さないことは、企業にとって基本的なコンプライアンスだ」と指摘。「企業の姿勢はもちろんだが、労働行政をつかさどる国の責任も問われている」と述べた。





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実は韓国もヤバイ! 失業者=400万人、大卒の正社員就職率=10%

●2013/1/4  韓国も不況が長期化 実質失業者390万人――聯合ニュース

韓国統計庁の経済活動人口についての調査によると、昨年(注――2012年)11月時点の「実質失業者」の数は389万7000人だった。実質失業者は統計庁の公式集計に入らないが、実質的に失業状態にある人を含む。

11月の実質失業者には▼公式失業者(69万5000人)▼資格取得を目指す人や職業訓練を実施している就職準備者(21万9000人)▼一般の就職準備者(36万3000人)▼休職者に該当する非経済活動人口(102万6000人)▼求職断念者(19万3000人)▼週18時間未満の労働者(98万9000人)――などが含まれる。

実質失業者(11月基準)は世界金融危機が本格化する前の07年と08年に350万人を下回ったが、09年に389万7000人、10年は400万1000人、11年は394万6000人と400万人前後で高止まりしている。

民間シンクタンク、現代経済研究院の研究委員は「実質失業者が多いのは青年失業者が多いことを意味する」と指摘する。

世代別労組「青年ユニオン」の幹部は「最近増えている雇用は正社員でなく、期間も短期。就職と失業の繰り返しを増やすことになる」と話した上で、労働時間を短縮し雇用を増やすワークシェアリング(仕事の分け合い)を提案した。



【参考】2011/10/12  韓国4大卒の就職志望者 正社員就職は10% バイト40% 無職50%――朝鮮日報

今年(注――2011年)春に4年制大学を卒業した32万1740人の就業状況を調べたところ、進学や徴兵などを除く就職希望者28万人以上のうち、実際に就職できたのはおよそ14万人(約51%)だった。さらに就職できた人の給与水準を調べてみると、100万ウォン(約6万5000円)台が48.9%(7万362人)で最も多かったが、そのほとんどがコンビニでのアルバイト社員やインターンだった。



    ノージョブ(無職)です




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大学全入時代――私大進学者の半数が推薦・AO組

disられる立命館大学!

●2013/2/16  偏差値≠難易度の怪 推薦・AO入試で一般枠減り 大学側が倍率操作?――毎日jp

偏差値を頼りに大学を選んだ共通一次世代の子供たちが大学入試の季節を迎えている。親はつい偏差値が気になるが、最近は偏差値が大学の入学難易度とかけ離れている場合もあるという。今どきの偏差値、どうなってるの?

首都圏の私立大の文系学部で偏差値が最も高いのはどこだろう。早大政経学部か、あるいは慶大経済学部か。いえいえ。今年の大手予備校の偏差値を見れば、答えは慶大法学部。えっ、いつの間に?

受験情報会社、大学通信の安田賢治・常務取締役によると「慶大法学部は90年代に指定校推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試の枠を広げた。一般入試枠が狭まったため合格ラインが上がり、偏差値も上昇したのです」。

偏差値は一般入試だけが対象で、推薦・AO入試は対象外。「偏差値の高い学部でも推薦・AO入試枠が広ければ、コツコツ型で普段の成績がいい子や一芸に秀でた子は入りやすい。偏差値だけで入学難易度を測れない時代です」と説明する。

大学通信によると、私立大進学者のうち推薦・AO入試は50.5%を占めるようになった。「受験生を多角的に評価するため導入された制度が、少子化による『全入時代』到来で、学生獲得手段になった。特に不人気校が一般入試枠を狭めて競争倍率を上げ、イメージアップを図る一方、AO・推薦枠を広げて学生を青田買いし始めた」と安田さん。

18歳人口は減っているのに、大学や学部の数は増えている。全国に約800校の大学があるが、私立大一般入試の志願者数上位約20校に約5割の受験生が集中している。

人気校でも一般入試枠を狭め偏差値を上げる「操作」がささやかれる。「偏差値が上がれば優秀な学生が来る可能性が高まる」(安田さん)からだ。逆に数年前、中央大理工学部情報工学科はホームページに「『偏差値操作』をすることなく、競争入試による入学枠7割を堅持します」と明記し話題になった。

同科の鈴木寿教授は「偏差値が他学部や他大学より低い理由を調べると一般入試枠の広さが原因だった。それでも7割を維持した結果、学力検査に裏付けされた学力のある学生を集められている」。

推薦・AO入試で将来有望な人材を集める大学もあれば、学力低下を招く大学も。事情は大学のレベルや人気度によりさまざまだ。だが、親世代は我が子に少しでも偏差値の高い大学を勧めがちだ。

「最辛大学ガイド」などの共著がある大学研究家の山内太地さんは「今の高校生は空気を読みがちなので、教師や親が勧めた大学を安易に選んでしまう。学力下位層では、推薦・AO入試で早く進学先を決める方が格好いい、という価値観が広がっている。結果、入試での挫折も迷いも経験せずに大学生となり、就職活動で人生初の壁にぶつかる子が増えている」と懸念する。

山内さんの親への助言は「自分で考えて大学を選べるよう、日ごろの対話を充実させて」。全入時代には全入時代の難しさがある。



【参考】有名私大の一般入試比率――『週刊ダイヤモンド』(2011/12/10号)より
  東京理科大  81.3%
  明治大  69.6%
  青山学院大  68.8%
  法政大  67.0%
  立教大  65.9%
  上智大  61.6%
  立命館大  60.4%
  同志社大  60.3%
  学習院大  59.9%
  関西大  55.7%
  中央大  55.3%
  国際基督教大  53.6%
  慶應義塾大  非公表
  早稲田大  非公表
  関西学院大  非公表




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ベーシック・インカム概説

昨日(2013/2/23)、大阪市内の某所でベーシック・インカムについての概説を行いました。せっかく作ったので、当日に使用した資料を掲載したいと思います(*若干、改定しています)。


1.ベーシック・インカムとは何か――その多様性

(1)ベーシック・インカムの定義
・ベーシック・インカム(BI)とは、基本所得、基礎所得、保証所得、社会賃金、市民配当、基本権所得、デモグラントなどと呼ばれることもある社会制度のことで、所得保障の在り方の一種。

・現行の社会保障制度との関連で言うと、サービス給付(医療・保育・介護など)はそのままに、現金給付(年金・生活保護・雇用保険・児童手当・各種控除など)をそれ――ベーシック・インカムに置き換えるということ。

・定説はないが、有力な説としては「すべての人を対象に、個人単位で、無条件で、現金で、定期的に給付される所得」と定義される(アイルランドの「ベーシック・インカム白書」や、「ベーシック・インカム世界ネットワーク」による定義)。


(2)ベーシック・インカムを検討する際のキーポイント
 (a) すべての人 ⇔ カテゴリー別(児童手当、税方式の年金)
 (b) 個人単位 ⇔ 世帯単位
 (c) 無条件 ⇔ 条件付き(参加所得、負の所得税)
 (d) 現金 ⇔ 現物
 (e) 定期的 ⇔ 一括(ベーシック・キャピタル)
 (f) 生活に足る量 ⇔ 一定の量  *生存水準を満たす「完全BI」、生存水準に満たない「部分的BI」


(3)ベーシック・インカム論の通奏低音
①給付要件の緩和、②制度上での個人主義、③市場優先


(4)世界の動き
・アメリカ、カナダ、ブラジル、ナミビア……




2.福祉国家の理念と現実

(1)現行の先進国における所得保障の仕組み
●ケインズ主義――有効需要の創出による社会保障支出の正当化
(ⅰ)社会保障によって有効需要が保たれることにより、(ⅱ)完全雇用が維持されるので、(ⅲ)結果として社会保障が機能不全に陥ることはない。
 *「拠出金方式」と「税方式」

●1942年「ベヴァリッジ報告」=「福祉国家」(社会保険が中心+補足としての生活保護)
(ⅰ)完全雇用を理想状態とした上で、(ⅱ)リスクに対しては、諸個人が保険料を拠出する社会保険で対応し、(ⅲ)それでも無理な場合は例外的かつ一時的な措置として、無拠出だが受給に当たって審査(ミーンズテストなど)のある公的扶助(生活保護)を適用する。


(2)日本の現実
●生活保護の捕捉率――約20%
・諸外国では50%を超える。アメリカは70~80%。
・日本の5000万世帯中、500万世帯が生活保護基準以下の生活をしているが、実際に生活保護を受けることができているのは100万世帯である。
・日本の生活保護の特徴:「ミーンズテスト」「世帯単位」「無条件」「現金」「定期的」「生活に足る量」

●生活保護支給費のGDP比――0.3%
・ドイツ・フランス:約2.0%、アメリカ・イギリス:約4.0%

●社会保障給付費のGDP比――約15%
・アメリカ:20%弱、イギリス・ドイツ:30%前後、フランス:40%弱、スウェーデン:50%強


(3)福祉国家の危機
●1950~1960年代
 社会保障(福祉国家モデル)
   ↓ 有効需要の創出
 経済成長
   ↓ 労働力需要
 完全雇用
   ↓ 福祉国家モデルの維持
 社会保障(福祉国家モデル)

●1970年代以降
 社会保障(福祉国家モデル)の破綻
   ↓ 有効需要の創出が不十分
 経済成長鈍化・雇用なき経済成長
   ↓ 労働力需要が減少
 高失業
   ↓ 福祉国家モデルが維持できない
 社会保障(福祉国家モデル)の破綻




3.ベーシック・インカムの提唱――渾然一体となっている様々な潮流

●トニー・フィッツパトリック『自由と保障』(1999年)における分類
 (1) 急進右派(リバタリアニズム、ネオリベラリズム):負の所得税
 (2) 福祉集合主義(リベラリズム):参加所得
 (3) 社会主義・共産主義
 (4) フェミニズム
 (5) エコロジズム


(1)労働の意義の拡張(過激な労働価値説):福祉国家の成立(20世紀前半)で登場した潮流
――アンペイド・ワークを積極的に評価し、本来的には「ケア給付金」のようなものを理想とする。しかし、ケースワーカーによる選別といった行政の裁量に対する批判から、ベーシック・インカムを主張する立場。

・第二波フェミニズム運動(1960~1970年代)
  ‐ ラディカル・フェミニズム「私的なことは政治的なことである」
  ‐「不払い再生産労働の評価」+「性別役割分業の変革」

・ダラ=コスタ:「生の生産」「労働の二重の拒否」(賃労働の拒否+家事労働の拒否)

・ネグリ:「非物質的労働」「社会化された労働者」「生そのものが価値を生み出している」


(2)労働の意義の縮小(労働価値説の否定):市場経済の成立(18世紀)で登場した潮流
――労働自体に消極的な評価しか与えず、労働を強制されないベーシック・インカムの給付があって、はじめて民主主義や自由が成立する=社会参加が可能になるのだという立場。ベーシック・インカム論における主流の考え方。

・リベラリズム(正義論)―― 民主主義の保障のため
  ‐ キャロル・ペイトマン

・リバタリアニズム(自由至上主義)―― 自由の保障のため
  ‐ ヴァン=パレイス:「クレージー(働き者)、ヘージー(どっちつかず)、レージー(怠け者)」


(3)「定常型社会」「持続可能な経済」:比較的最近に登場した潮流
 社会保障(<緑>的ベーシック・インカムモデル)
            ↓ 有効需要を適度に維持
        持続可能な経済
            ↓ 労働力需要の減少
        労働量・労働時間の減少
  税収の減少? ↓   ↑ 労働力供給の減少・所得補填
 社会保障(<緑>的ベーシック・インカムモデル)


(4)既存の福祉国家への批判:福祉国家の成立(20世紀前半)で登場した潮流
・経済学者やエコノミストによる議論(→「4.」などを参照)
  ‐「福祉国家の否定」としてのベーシック・インカムという立場(右派)
  ‐「福祉国家の完成」としてのベーシック・インカムという立場(左派)




4.ベーシック・インカムは人を働かなくするのではないか?

(1)ミクロ的な回答――労働インセンティブの問題
●ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(1962年)
・最低賃金制は、失業を生む場合がある。
・社会保障税は、他の税と比べて逆進的である(※日本の場合、社会保険料は累進制ではない)。
・年金は若年世代から高齢世代への所得移転であるが、貧困層ほど若くして働き始め、富裕層ほど長生きをすることから、これは「貧困層から富裕層への所得移転」であると言える。
・公的扶助は「富裕層の負担で貧困層を助ける」ものであるが、この制度では働いて所得が増えると給付の権利を失ってしまうため、労働インセンティブを損なうことになる(「貧困の罠」「失業の罠」「福祉の罠」の問題)。
・「限界税率」が100%を超えると、労働インセンティブがなくなる(→「累進的定率税」の議論)。
・福祉を名目に補助金が支給される仕組みや、特定のカテゴリーに所属することで補助金を受けられるような仕組みは、必然的に腐敗する。
・貧困問題は、市場によって解決されるのが望ましい。なぜなら、福祉官僚による裁量行政よりも、市場の方が優れているからだ(「市場原理主義」)。従って、市場を歪める福祉計画ではなく、貧困層を市場にアクセスさせるための「給付型税額控除」(負の所得税)を導入するべきである。
・これまでは福祉官僚によって「国のお荷物や厄介者」として扱われてきた人々を「責任ある個人」として市場にアクセスさせることで、市場はよりうまく機能するだろう(「購買=投票」論)。
・「給付型税額控除」(負の所得税)を導入すれば、福祉官僚は不要となり、福祉国家の運営にかかる膨大なコストを削減することができる。

●「給付型税額控除」(負の所得税)
・アメリカでは1975年に導入され、イギリスでは1999年に導入された。他にも、カナダ、フランス、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、スロバキア、韓国などで導入されている。
・最低賃金の国際比較をする際、「給付型税額控除」(負の所得税)の導入国と非導入国の間では、実際の所得の差は最低賃金の額面の差よりも大きい場合がある。

●まとめ
・既存の福祉国家の仕組み(社会保険+生活保護)には、「貧困の罠」といった労働インセンティブを損なう要素がある。従って、ベーシック・インカムの導入によって人が働かなくなるとは一概には言えない。
・労働へのインセンティブを維持しつつ所得を高める制度として、「給付型税額控除」(負の所得税)といったベーシック・インカム的な政策が提唱されている。


(2)マクロ的な回答――技術革新と必要労働量の問題
●ガルブレイス『ゆたかな社会』(1958-1998年)――第2版(1969年)以降
・技術革新の結果、必要労働量はどんどん減少していくため、生産は昔ほど重要なものではなくなっている。にもかかわらず、(1)「働かざる者、食うべからず」といった生産力が乏しかった時代の社会通念、(2)生産によって雇用が保障され、雇用によって所得が保障されるという仕組みが原因で、生産は未だに重要視されている。
・所得は保障されなくてはならないが、技術革新は不可逆的であり、完全雇用は不可能である。従って、雇用と所得保障を分離する必要性――ベーシック・インカムの導入が不可避である。
・怠惰はその当該個人にとっては有害かも知れないが、今や社会にとっては有害とは言えない(「自動車の不要な金属に栗色のエナメルを塗る労働者の勤勉さ」に、社会は依存してはならない)。

●ジェイムズ・ロバートソン『未来の仕事』(1985年)
・単にベーシック・インカムを導入するだけでは、(1)雇用されている者と雇用されていない者との分断、(2)市場での消費を中心とした生活は変わらない。前者は、雇用されていない者に劣等感を抱かせ続ける点で望ましくないばかりか、雇用されている者にベーシック・インカムの財政負担への不満を募らせることにもなる。これは後者とも相まって、ベーシック・インカムの持続可能性を低めることに繋がる。
・従って、市場に依存した生活から<自身の仕事>を拡大させなければならない。なぜなら、<自身の仕事>を拡大させるという方向性は、(1)「労働=雇用」という価値観の下での労働者/非労働者という分断を解消し、(2)生活に占める市場での消費の割合を減らすことで、ベーシック・インカムの持続可能性を高めることができるからである。

●まとめ
・技術革新の結果、社会が必要とする労働量は減少傾向にあり、完全雇用を前提とした既存の福祉国家の仕組み(社会保険+生活保護)は破綻しつつある。必要労働量が減少する社会により相応しい所得保障の仕組みとして、ベーシック・インカムが議論されている。


(3)そもそも「労働」とは何か? 一体、誰が「フリーライダー」なのか?
●「貧民二分論」(「フリーライダーは救済に値しない」という理論)に対して
1〉「フリーライダーは存在しない」という戦略
・アンペイド・ワークを積極的に評価する立場からは、「救済に値しない貧民」は存在せず、すべての貧民が「救済に値する貧民」であるとされる。
2〉「すべての人はフリーライダーである」という戦略
・労働自体に消極的な評価しか与えない立場からは、貧民を「救済に値する貧民」と「救済に値しない貧民」とに選別する「貧民二分論」自体が拒否される。




5.ベーシック・インカムと税制をめぐる議論(財源問題)

・定率所得税 ―― 小沢修司など
・累進所得税 ―― 左派の一部
・消費税への一元化(所得税・法人税は廃止)―― ドイツでの主流
・環境税(「コモンズ」「共有財」「共有資産」への課税)
  ‐ 例えば、所得税・法人税を廃止し、地価税・エネルギー税を導入する(ロバートソン)
・「社会相続」(相続税を100%にし、法人税・消費税は廃止する)―― 小飼弾

●国民負担率――税金および社会保障費がGNPに占める割合
・米:35%、日:40%、英・独:50%、仏:60%、スウェーデン・デンマーク:70%

●「グロス国民負担率」(総計・総量)と「ネット国民負担率」(正味・実質)
・スウェーデン ―― グロス国民負担率:70%、ネット国民負担率:20% ⇒ 再分配率:50%
・日本 ―― グロス国民負担率:40%、ネット国民負担率:25% ⇒ 再分配率:15%

●ベーシック・インカムの支給額
・「社会保障給付費:100兆円」から「医療などにかかる費用:30兆円」を引くと「70兆円」になる。この「年金・生活保護・雇用保険・児童手当・各種控除など:70兆円」を「人口:1億2500万人」で割ると「56万円」になる。「56万円」を「1年間:12ヵ月」で割ると、「1人当たり月額4万6666円」がベーシック・インカムとして支給できる計算になる。
・実際、小沢修司・山崎元・小飼弾らは、現行の税制のままでも、5万円前後の支給であれば可能であると主張している。また小沢修司によれば、45%の定率所得税を導入することで、「1人当たり月額8万円」の支給が可能になるという。




6.ベーシック・インカムをめぐるその他の議論

(1)感情の問題
・例えば、「すべての人の公教育を無償化する」といった政策は受け入れられても、「すべての人に一律数万円を支給する」といった政策は受け入れられにくい(「人間の感情」に配慮する必要性)。

●アトキンソンの「社会保険+参加所得」という提案
・(1)社会保険に対する人々の高い支持、(2)ベーシック・インカムの給付の無条件性に対する人々の嫌悪感ないしは危惧といった理由により、ベーシック・インカムは政治的に実現不可能に近い。従って、妥協する必要――(1)社会保険を維持する、(2)「社会への参加や貢献」を給付の要件とする「参加所得」を採用する――がある。
・「社会保険+生活保護」という仕組みをベーシック・インカムに置き換えるのではなく、「社会保険+参加所得」に置き換える。すなわち、基礎的な所得保障として「参加所得」を給付し、それに「社会保険」を上乗せする。

(2)自治の問題
・「何が問題か」を決めるのは、国家ではなく社会であるべき
・国家は弱者救済をすべきでなく、弱者を生み出さないような社会をつくるべき
・「共助」が基本であり、「公助」は「共助」を側面から支援するものであるべき

(3)「小さな政府・大きな社会」論
・ギデンズ「第三の道」(「社会投資国家」「積極的福祉」)――人的資本への投資
・フレキシキュリティ(flexicurity)―― 労働の柔軟性(flexibility)+ 生活上の安全(security)

(4)産業構造に関する問題――「労働ビッグバン」(第1次安倍内閣)など
・労働法制の規制緩和 → 産業のイノベーション → ブラック企業の駆逐、ワークシェアリング

(5)社会保障は「貧民救済」なのか「リスク対策」なのか、あるいは、生活保護は「恩情」なのか「社会政策」なのか、といった議論。

(6)景気が回復すれば、自分の生活が良くなる=所得が増えるといった「高度経済成長」待望論

(7)「パイの有限性」と「再配分」の問題

(8)「現金か現物か」という問題
・「ベーシック・インカム」と「生活必需品の無料化(自由消費)」
・「欲張り消費」について(エーリッヒ・フロム)



●関連記事
 → 「自給自足2.0」に基づく新貴族主義というライフ・スタイル ―― 半農半活動とは
 → <自身の仕事>を拡大させよう――「新貴族主義というライフ・スタイル」の正当性
 → スイスでベーシック・インカム導入の国民投票へ(追記・2013/10/11)



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視聴率が20%を超えるテレビ番組、4週連続でゼロのお知らせ

『鶴瓶の家族に乾杯』が強すぎる!

●2013/2/13  【週間視聴率トップ30】2/4~10 3連休で「八重の桜」15%台――MSN産経ニュース

11日(月)が祝日で、3連休初日の9日(土)のゴールデン帯に影響が出た。フジの「四大陸フィギュアスケート」中継(19時57分~)は16.4%をマークしたが、それ以外はフジの19時台「超潜入!リアルスコープハイパー」11.3%、他局も19時からの2時間特番が、日テレ「世界一受けたい授業」12.3%、TBS「炎の体育会TV」10.9%、テレ朝「関ジャニの仕分け∞」10.4%と、軒並み低調だった。

2日目の10日(日)も「四大陸フィギュア」(19時~)は前夜とほぼ同じ16.3%で、日テレ「世界の果てまでイッテQ!」も15.0%と意地を見せたが、NHK大河「八重の桜」は前週まで3週連続18%台だったのが15.3%に下落した。今年は月曜が休日となる回数が昨年より多く、同様のケースが多発しかねない。

NHK朝ドラ「純と愛」は劇的展開の連続で6日が18.8%、8日も18.3%を出したが、初回に記録した自己最高(19.8%)を更新できずにいる。日テレ「笑点」は今回も19.2%で19%台をキープしたが、前週19.6%のフジ「サザエさん」は16.4%にダウン。結局、4週連続で20%台番組のランクインが皆無となった。もはや異常事態というより“常態化”の段階かもしれない。

NHK「鶴瓶の家族に乾杯」は前週(16.3%)に続いて唐沢寿明がゲスト出演し18.3%。唐沢が主演した肝心のテレビ60年記念ドラマ「メイドインジャパン」最終回は8.8%だったが。

(1)NHKニュース7(5日)     NHK 19.3
(2)笑点     日本 19.2
(3)NHKニュース7(4日)     NHK 18.8
(3)連続テレビ小説・純と愛(6日)     NHK 18.8
(5)鶴瓶の家族に乾杯     NHK 18.3
(6)キリンチャレンジカップサッカー2013・日本代表×ラトビア代表     フジ 17.6
(7)NHKニュース7(6日)     NHK 17.3
(8)首都圏ニュース845(4日)     NHK 17.1
(8)相棒     朝日 17.1
(10)四大陸フィギュアスケート選手権2013・女子ショートプログラム/男子フリー     フジ 16.4
(10)サザエさん     フジ 16.4
(12)真相報道バンキシャ!     日本 16.3
(12)四大陸フィギュアスケート選手権2013・女子フリー     フジ 16.3
(14)首都圏ネットワーク(6日)     NHK 16.2
(15)首都圏ニュース845(5日)     NHK 16.1
(16)踊る!さんま御殿!!     日本 15.8
(17)NHKニュース7(7日)     NHK 15.5
(17)サンデーモーニング     TBS 15.5
(19)NHKニュースおはよう日本・首都圏(6日)     NHK 15.4
(20)クローズアップ現代(5日)     NHK 15.3
(20)八重の桜     NHK 15.3
(22)報道ステーション(6日)     朝日 15.2
(23)報道ステーション(6日)     朝日 15.1
(23)ぴったんこカン・カンスペシャル     TBS 15.1
(25)世界の果てまでイッテQ!     日本 15.0
(26)NHKニュース7(9日)     NHK 14.9
(26)ナニコレ珍百景2時間SP(19時~)     朝日 14.9
(28)NHK歌謡コンサート     NHK 14.6
(28)NHKニュース7(10日)     NHK 14.6
(30)NHKニュースおはよう日本・首都圏(5日)     NHK 14.5
(30)秘密のケンミンSHOW     日本 14.5
(30)もしものシミュレーションバラエティーお試しかっ!3時間SP     朝日 14.5



なお、ニュース番組とスポーツ中継を除くと、以下のようなランキングとなる。

(1)笑点
(2)連続テレビ小説・純と愛
(3)鶴瓶の家族に乾杯
(4)相棒
(5)サザエさん
(6)踊る!さんま御殿!!
(7)クローズアップ現代
(7)八重の桜
(9)ぴったんこカン・カン
(10)世界の果てまでイッテQ!
(11)ナニコレ珍百景
(12)NHK歌謡コンサート
(13)秘密のケンミンSHOW
(13)もしものシミュレーションバラエティーお試しかっ!



   「観光客拉致を!」




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娯楽の多様化かそれとも by アジシオ次郎
 こんにちは。

 4週連続で20パーセントに届かない視聴率ですが、これには視聴者のテレビ離れと言うよりかは、テレビ以外に娯楽がいっぱいあると言うことで進んでテレビを見ると言う考えが薄まっていると言えますね。

 今や一家に一台でなく一人一台の時代だからか、一家揃って見ると言う考えが希薄化したことも視聴率低迷に拍車をかけたと言える。

 もう一つ、バラエティに限ってみれば同じようなプロットの番組ばかりなことも(クイズ及びトーク系番組の乱立)、テレビ離れを助長しているかも知れないが、同じような番組ではすぐに飽きられるだけですよ。

 さらにかつてはたくさんあった「作り込んだ」ものがあまりないのもまた視聴者が食いつかないことに拍車をかけていると言いたいね。

 地デジ化して2年になる今年、それに相応しいような番組作りをしてほしいです。テレビ局にせよ制作会社にせよ。今テレビ不況だからあんまり作り込んだ番組が出来ないと言うのは言い訳にしか見えない。
Re: 娯楽の多様化かそれとも by ばたお
アジシオ次郎さん

コメントありがとうございます。

ご指摘の通り、(1)娯楽の多様化、(2)テレビ番組自体の質の低下
といった2つの側面があるのでしょうね。

ちなみに、私が住む関西では
「吉本芸人がたくさん集まって内輪話をする」という番組やコーナーが増えており、
個人的に、すこぶる不快です(吉本芸人マニアの方は楽しめるかとは思いますが……)。

別に吉本の芸人が嫌いというわけではありませんが、
「楽屋でやれ」と言いたくなります。

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生き方としてのスモールハウス――「経済からの自由」を考える

『スモールハウス――3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』
▲高村友也『スモールハウス――3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』


(1)“理論の書”としての『スモールハウス』

著者は、とりわけネット上では“毎年寝太郎”として知られる人物である。本書『スモールハウス――3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』は、そんな寝太郎さんの『Bライフ――10万円で家を建てて生活する』に続く2冊目の著書だ。

ちなみに、2冊をあえて比較するならば、『Bライフ』がどちらかと言えば“実践の書”であったのに対して、今回の『スモールハウス』は“理論の書”であると言えるだろう。実際、「本書は、実践的なノウハウを記述した本ではないし、僕個人の観点・解釈も色濃く出てくる。半分はドキュメント、半分は僕のエッセイ」とあるように、海外における「スモールハウス=3坪ほどの小さな家」での生活の実践者6人を紹介しながら、スモールハウスの在り方やそこから得られる生き方について、寝太郎さん自身の思想や考え方が前著に比べてより多く著されている。



(2)「スモールハウス生活の実践者」の多様性

さて、「スモールハウス」とは比較的間口の広い議論であり、「スモールハウス生活の実践者」と一口に言っても、その動機も在り方も実は千差万別であることが分かる。

例えば、「自身の美の追求」という観点からスモールハウスで暮らしている人もいれば、スモールハウスでの生活が「モノを所有せずに外部のサービスに頼って生きる」といった、いわゆるノマドライフという在り方に近い人もいる。さらには、「自給自足」ないしは「半農半X」という観点からスモールハウスで暮らしている人もいるし、「地球環境保護」という観点から、悪者を探して糾弾したり要求したりするのではなく、身も蓋もなく“その答え”としてスモールハウス生活を実践している人もいる。



(3)「空回り経済」は人を幸せにしない

そして本書では、以上のような実践者の紹介を通じて、寝太郎さんの思想や考え方を垣間見ることができる。それを理解するためのキーワードは、「空回り経済」である。

「空回り経済」とは、「わざわざ需要と供給を作り出す、自分で自分の首を絞めるような経済」のことであり、「贅沢なモノ=不必要なモノによって回る経済」だとも言える。寝太郎さんによれば、「空回り経済」は人を幸せにすることはない。なぜなら、「世の中いくら便利になっても、それによって節約された時間や体力は、再び競争と労働へと費やされ(る)」という明察からもうかがえるように、それは欲望や嫉妬心、労働時間を増幅させるだけだからだ。

そこで寝太郎さんは、現行の「空回り経済」から距離を置き、自由を獲得することを唱える。そしてそれは、「生きていくための最低限の生活が何であるのかを見極め、少ないお金で生きていけるように工夫すること」で成就されるとし、これを「経済からの自由」と表現している。

また「空回り経済」は、ただ物質的な豊かさを追求するように人の心をコントロールしさえする、という点においても問題である。しかし、それからある程度自由であれば、「生きる意味」という問いに遭遇することになる。寝太郎さんがしばしば口にする「私的な生きづらさ(生きにくさ)」とは、こういったことなのだろうか。その際、自我の保持や心の平穏のためには、スモールハウスのような内的に安心できる空間が最適なのだという。



(4)「高消費かつ自由経済のエアポケット」は時機になくなってしまう?

もっとも、寝太郎さんの議論でやや不安を感じる点もある。例えば、寝太郎さんは「高消費かつ自由経済の日本に生まれてよかった」と述べているが、それは、彼の唱える「Bライフ」=「生活水準を少しだけ下げて、ホームレスより僅かに上、一般市民より遥かに下の、極めてコストのかからない生活」(寝太郎さんのHP「Bライフ研究所」より)が成り立つための条件だからである。このBライフこそが、本書で言うところの「経済から自由」を意味している。

「Bライフ」=「経済からの自由」は、資本主義社会の搾取対象から逃れ、その恩恵のみを受け取るという意味において、非常に賢いライフ・スタイルであると言える。しかし、それができるのは「南北格差」のおかげでもある。翻って、これからの日本はますます経済的な国際競争力を落とし、外貨を稼ぐことができなくなる可能性が高い。そうなれば、途上国から価値を収奪することも難しくなり、「豊かな日本」自体が成り立たなくなるだろう(※1)。すなわち、Bライフの肝は「豊かな国・時代であえて低い生活水準を保つことで、周囲との間に局所的な貨幣価値の格差を生み出す」(寝太郎さんの前著『Bライフ』より)ことにあるわけだが、その前提である「豊かな日本」自体が崩壊してしまう恐れが十分にあるのではないかということだ。



(5)ローカルユートピアの実現――「経済からの自由」の2つの側面

ただし、寝太郎さんは次のようなことも述べている。

人口の何割かの成人後の最初の目的が、まずスモールハウスを建てて、自給用の10坪の畑を耕すということであっても、おかしくはないはずだ……それと同時に、多少の現金収入を得たり、既存のインフラや物流の恩恵を受けたりすれば、かなり効率の良い生活ができる。


そして、こういった生活の在り方を「資本主義の成熟した豊かな国家における自分の周りだけの局所的なユートピア」という意味で、ローカルユートピアと呼んでいる。しかし、生きていくための必要最低限なモノである「食料」がある程度自給できれば、そこまで豊かな国家の下になくとも、ローカルユートピアを実現することはできるのではないだろうか。

「経済からの自由」には、「高消費かつ自由経済へのフリーライド」という側面と、「生活における市場への依存度を減らす」という側面がある。両者は相反しながら相互に支え合っているのが現状であるが、これからの日本の経済状況を鑑みた場合、後者の割合を高める方向性で「経済からの自由」を追求するのが、よりベターであるような気がする(※2)。

……と、本書を読めば、そんなことを色々と考えさせられてしまう。従って、(例えば私のように)本書を「建築物としてのスモールハウス」の本だと思っていたのならば、良くも悪くも裏切られるだろう。なぜなら、本書の主題はあくまでも「生き方としてのスモールハウス」なのだから(※3)。



(※1)ただし、これは国際競争力が維持されている他の先進国に移住すれば大丈夫という問題ではある。
(※2)これは杞憂であるが、「あらゆる公共サービスが完全な受益者負担になる」「人頭税的な税制が導入される」「農地以外での食料生産が禁止される」などといった政策によって、将来的には資本主義社会のフリーライダーが淘汰される可能性もある。
(※3)「建築物としてのスモールハウス」という側面がないわけではない、ということはフォローしておきます!



●関連記事
 → なぜ私たちは、毎年寝太郎さんの「Bライフ」という生き方に引き寄せられるのか。
 → 「自給自足2.0」に基づく新貴族主義というライフ・スタイル ―― 半農半活動とは
 → <自身の仕事>を拡大させよう――「新貴族主義というライフ・スタイル」の正当性





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弁護士ドットコム「AKB48の恋愛禁止ルールは内規なので、ファンによる慰謝料請求は認められない」

●2013/2/15  「恋愛スキャンダル」続出のAKB48 ファンは「慰謝料」を請求できるか?――弁護士ドットコム

AKB48メンバーの恋愛スキャンダルが相次いでいる。「お泊り愛」が報道された峯岸みなみさんが坊主頭で謝罪し、世間をにぎわしたかと思えば、続けざまに柏木由紀さんの「深夜合コン」が報道された。

うら若き女性が異性に対し恋愛感情を抱くのはごく自然のことだろう。しかし、問題はAKB48に「恋愛禁止」のルールがあるということだ。AKB48の熱烈なファンの中には、彼女たちがこのルールを遵守していると信じて、応援している人も少なくないようだ。

柏木さんのスキャンダル発覚後、あるファンはCDなどのグッズを燃やしている画像をインターネットで公表して話題を集めた。ファンの中には、少なからず精神的苦痛を感じた人もいるだろう。

このように精神的なショックを受けたAKB48のファンは、恋愛スキャンダルが発覚したメンバーに対して、「信じていたのに裏切られた」として慰謝料を請求することができるのだろうか。好川久治弁護士に話を聞いた。

■「恋愛禁止」はAKBのグループ内部のルール

「AKB48メンバーとファンとの間には、直接の契約関係はありませんので、ファンがメンバーに対して精神的損害の慰謝料を請求する根拠として考えられるのは、不法行為にもとづく損害賠償請求(民法709条)ということになります」

まず、このように説明したうえで、好川弁護士はどのような場合に「不法行為」といえるのかについて、4つの条件をあげる。

「不法行為の成立には、(1)メンバーの故意または過失、(2)ファンの権利または法律上保護される利益の侵害、(3)(精神的)損害の発生、(4)1と3の間の相当因果関係の存在が必要です。このうち、今回問題となるのは(2)の要件です」

つまり、ファンの損害賠償請求が認められるか否かは、ファンの「権利または法律上保護される利益」が侵害されたといえるかどうかで決まるということだ。好川弁護士は次のように続ける。

「『恋愛禁止』は、プロデューサーの秋元康氏が、AKB48メンバーに守らせているルールのようですが、これはあくまでAKB48というグループ内部を規律するルールですので、AKB48のメンバーが直接ファンに対して法的義務を負うものではありません。したがって、メンバーとファンとの間には、法的な義務違反によって『権利または法律上保護される利益』を侵害された、という関係がそもそも存在しません」

すなわち、「恋愛禁止」のルールはあくまで内規であって、外部の人間に対する法的な義務とまではいえない。そのため、損害賠償請求に必要な不法行為の成立要件は満たしていないというわけだ。

■「恋愛禁止」への期待は「法律上保護される利益」とはいえない

「確かに、ファンがAKB48メンバーに対して、『恋愛や合コンをして欲しくないという期待』を持っていることは理解できますが、これはあくまでも期待であって、社会通念上、慰謝料請求が可能となる『法律上保護される利益』とまでは言えません」

このように述べたうえで、好川弁護士は次のように指摘している。

「夫婦や婚約したカップルの一方が他方に対して貞操義務(浮気をしない義務)を負うことは一般に良く知られていることですが、夫婦や婚約したカップルの間ですら、(パートナー以外との)『恋愛や合コン』が直ちに不法行為となり慰謝料を請求できるわけではありません。ましてや、アイドルとファンとの間で、『恋愛や合コン』をしたことを理由に慰謝料請求が認められないことは、容易に理解できることでしょう。

もちろん、AKB48メンバーは、総選挙によってファンから選ばれ、恋愛禁止を公言しているアイドルグループのメンバーですから、ファンの信頼を損ねてしまったことについて批判を浴びることはやむを得ません。しかし、これはあくまで道義的な責任の問題です」

どうやらAKB48のファンが恋愛スキャンダルで心を傷つけられたとしても、メンバーに慰謝料を請求するのは難しいようだ。傷ついた心は、AKBの失恋ソング「泣きながら微笑んで」でも聴いて、癒すしかないのかもしれない。





◆おぎやはぎ「最近のAKBは不祥事が多い」
 おぎやはぎ「最近のAKBは不祥事が多い」


 ▼『おぎやはぎのメガネびいき』(2013/2/7放送分)より
 




●2013/2/7  【C大阪】AKBと深夜合コン報道で扇原、杉本に注意――スポーツ報知

6日(注――2013/2/6)発売の「週刊文春」がMF扇原、FW杉本とAKB48・柏木由紀(21)、峯岸みなみ(20)らの深夜合コンを報じたことを受け、クラブに問い合わせが数件あった。広報担当者によると「プロの自覚がない」との批判や「AKBファンから抗議されていないか」と心配する声だったという。「2選手には世間を騒がせたので口頭で注意しました」。2人はタイでチームのキャンプに励んでいる。



  柏木由紀「好きなスポーツはサッカー」



●参考記事
 → AKB峯岸坊主問題(3)「次世代スキャンダル候補としての柏木由紀」





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「最大の素数」を探し続けてる……って、暇すぎやしないか?

●2013/2/7  世界最大の素数を発見 1742万5170桁 米研究者――朝日新聞デジタル

1742万5170桁という、現時点で最大の素数を米セントラルミズーリ大学の研究者が見つけた。世界各地のボランティアのコンピューターをつないで素数探しをするプロジェクト、GIMPSが発表した。

素数は、1とその数自身でしか割り切れない2以上の自然数のことで、2、3、5、7、11、13、17……と続く。無限に存在することは証明されているが、どのように出現するのかは数学上の大きな謎だ。プロジェクトは「2を何乗かして1を引いた数」である整数(メルセンヌ数)から素数を見つける方法で、1996年から「最大の素数」探しを続けている。

今回見つかったのは「2を5788万5161乗し、1を引いた数」で、08年に発見された「2を4311万2609乗し、1を引いた数(1297万8189桁)」を更新した。





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宮台真司「2ちゃんねるの処女厨は頭が悪すぎる。フランス文学では(ry」

●2013/1/6  宮台真司 × 安藤美冬 【第3回】「価値発信で市場を切り開くには、君たちは間違っていると消費者に指摘することが不可欠です」――現代ビジネス

宮台 : いずれにせよ、「何も知らない者が幸せだと思うこと」と「多くのものを見てきた者が巡り巡って幸せだと思うこと」の間には大きな違いがあります。1993年に上梓した『サブカルチャー神話解体』の後書きで書いた通り、「知らぬが仏」は仏じゃない。木偶の坊と同じなんです。たくさんのことを経験し、何もかも相対化できるように思えた段階で、なおかつ生きることへの絶対的意欲を持つこと者だけが人を感染させる。それに関連して、2ちゃんに棲息する「処女厨」みたいな存在はクソです。ネットを見る限り、AKB48のファン層に目立ちますね。

安藤 : 「処女厨」って何ですか?

宮台 : 女の子が処女じゃないと気が済まない馬鹿って意味です。

安藤 : はぁ~(笑)。

宮台 : 感受性の問題じゃなく、単に頭が悪すぎるんです。「処女厨」って、結局は価値が減るものしか相手にできない。それでは何も味わい尽くせない。18世紀末からのフランス恋愛文学では、あらゆる汚れが積み重なる中でこそ絶対に失われないピュアさが描かれるでしょう?

安藤 : 年齢を重ねるほどいい女ということですね。

宮台 : そう。これまた〈往相還相〉です。憧れの女が処女じゃなくなったら終わるのか? 頭が悪すぎる。感性も鈍いと思うけど、それ以前にマトモに頭が働くかどうかの問題。そういう阿呆がのさばるのを見ると、この社会も終わりだなとつくづく思います(笑)。





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プロフィール

ばたお

Author:ばたお
・1983年大阪府生まれ。大阪府河内長野市在住
・半自給農民、工場非常勤。できるだけ稼がず、できるだけ消費しません。シェアハウス運営
・土と暮らし研究会

【ツイッター】@BATAO_Hetare
【スカイプ】batao2.0
【PCメール】ba1234tao@gmail.com

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