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高校生でも分かる! ばたおの「現代政治学」案内(5)

政治学の範囲と分類

●分類の指標

1〉制度論と行動論 / 機構現象説と機能現象説 / マクロとミクロ
 「政治制度」(政治の機構的側面)を重視するか、「政治行動」(政治の機能的側面)を重視するか。

2〉個人と集団
 行動論において、基本アクターを「個人」と見るか、「集団」と見るか。

3〉規範理論と実証理論
 「こうあるべき」という価値を重視するか、「こうある」という記述を重視するか。

4〉計量分析と数理分析 / 計量政治学と数理政治学
 実証理論において、「帰納法的アプローチ」を採るか、「演繹法的アプローチ」を採るか。


※帰納法・演繹法とは……?
帰納法的アプローチとは、まず様々なデータを集めてきて、それを基に理論仮説をつくること。演繹法的アプローチとは、まず理論仮説をつくり、それを様々な現象に当てはめること。つまり、帰納法とは「具体的な事実から普遍的な法則性を抽出すること」であり、演繹法とは「この前提を認めるならば、そこから導き出される結論もまた、必然的に認めざるを得ないのだ」という感じの方法論のことである。
たまに「計量政治学と数理政治学って、名前が違うだけで正味のところ一緒なんだろ?」と言う政治思想史系の人がいるが、実のところは似て非なるものである。これは、「数学ができないから、仕方なく政治思想史やってんだろ?」と言う人と同じぐらい恥ずかしい行為かも知れないので、気をつけなければならないだろう。




●ばたお的大雑把な分類

 ・政治学原論・規範的政治理論
 ・政治史・政治思想史
 ・政治体制論(マクロ政治学)
 ・政治過程論(計量政治学、行動論政治学)
 ・公共選択論(数理政治学)
 ・国際政治学(国際関係論)

※なお、1948年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は政治学の範囲を定義している。ユネスコによると、政治学は「政治理論」「政治制度」「政党・団体および世論」「国際関係」の4分野から構成されるものであり、「政治史」は含まない。米英では一般的に、「政治史」は歴史学の1分野である。


(つづく)





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高校生でも分かる! ばたおの「現代政治学」案内(4)

政治学の政治性――『政治学』(大嶽秀夫・鴨武彦・曽根泰教、有斐閣Sシリーズ)より

大学(とくに有名大学)もまた、特権と権力の源泉であり、権力分析の対象となることを忘れるとき、政治学者は自由擁護の名のもとに、自らの特権と権力を擁護するイデオローグとしての役割を演ずることになる。


政治学者は、神話破壊の作用を自分自身の価値意識にも受けることになり、民主主義的・自由主義的価値についても相対化を迫られ、非常に厳しい緊張関係を強いられることになる。


政治学者は、理念のもつイデオロギー機能の分析を通じて、理念一般に対するシニシズムを抱くようになる。それはやがて、目的価値よりも手段価値を重視するプロフェッショナリズム一般に通ずるニヒリズムとあいまって、政治学者を悪い意味での「現実主義」に、さらには、徹底した価値ニヒリズムに向かわせる。


具体的現象が抱える「問題」の解決策に示唆を与えるという役割をも政治学は演ずる……政治があい争う党派を対象とするかぎり、政治学は何らかの党派性を担わざるをえない。政治学では、いったい誰のために応用するのかが、直ちに問題となるからである。いずれにしろ、党派性をもたざるをえない政治学においては、学問の客観性を確保・維持することが、非常に難しいことを認識しておく必要がある。



(つづく)





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高校生でも分かる! ばたおの「現代政治学」案内(3)

政治とは何か――『政治学』(大嶽秀夫・鴨武彦・曽根泰教、有斐閣Sシリーズ)より

●政治の定義とは

政治学が通常の意味での1つのディシプリンとしては定義づけられず、研究対象の共通性によって括られる様々な研究の集合であるとすれば、その研究対象となる「政治(現象)」の定義は非常に重要なものとなる。「何を研究の対象とするのか」をめぐり、政治学では「政治とは何か」をまず議論しなければならないのである。ところが、この政治の定義は千差万別であり、政治学者の数だけ政治の定義がある。これは、「政治とは何か」という問い自体に、政治に関する実質的な議論が含まれているということを示している。




●政治の機能的な側面(目的・役割)からの定義

・「小さい政治」:政治的関係(社会集団ないしは社会生活における政治的側面)
   1.紛争・対立と紛争の処理・調整(コンフリクト・アンド・コンフリクト・レゾリューション)
   2.統治(ガヴァニング・ガヴァメント)
   3.シンボリック=非合理的=心理学的=宗教的な側面

・「大きい政治」:国家・政府
   1.国際政治の基本単位としての紛争の担い手 + 国内における対立の調整・処理機関
   2.国民の集合的利益を実現するための機関 + 国民を動員する組織
   3.国民のアイデンティティの対象としての市民宗教
   (4.官僚制)




●政治の構造的な側面(手段)からの定義

政治を物理的強制力、すなわち権力によって定義するやり方もある。いずれにせよ、定義は研究の便宜のためのものに過ぎない。


(つづく)





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高校生でも分かる! ばたおの「現代政治学」案内(2)

「政治学」という名称の問題

その方法論的な多様さから、政治学ではしばしば名称に関する問題が浮上する。日本語において政治に関する研究を指す語としては「政治学」しか存在しないが、英語などの他言語では、いくつかの語が政治学に対応するものとして挙げられる場合があるからだ。ここでは英語のケースを例に、この問題について考えてみたい。


●「政治科学」か「政治研究」か

さて英語において、政治に関する研究を指す語として一般的なのはpolitical science(政治科学)である。この名称は、「現代政治学の方法論は科学的である」という認識に基づいて採用されている。しかしながら、政治学が本当に科学的であるかどうかに関しては論争がある上、「科学的であろうがなかろうが、より幅広いアプローチを政治学に取り入れたい」という野心からも、political studies(政治研究)という呼び方を好む研究者もいる。

実際、1950年に設立されたイギリス政治学会においては、当初はpolitical scienceの語を名称に入れるのが有力であったものの、ハロルド・ラスキの強い主張でPolitical Studies Associationという名称になった。もっとも、米英の多くの大学で政治学部はDepartment of Political Scienceという名称である。また、コーネル大学、ダートマス大学、ジョージタウン大学、ハーバード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE。ロンドン政治経済大学院)では、政治学部をDepartment of Governmentと呼称している。





≪発展学習――ハロルド・ラスキ≫

イギリスの政治学者。1893~1950年。マンチェスターで、ポーランド系ユダヤ人の家庭に生まれる。オックスフォード大学で学ぶ。マギル大学(カナダ。歴史学講師)、ハーバード大学(ヨーロッパ史、政治思想史)、LSE(政治学教授)などで教える。LSEでは政治学部長も務める。イギリス労働党の元執行委員長で、同党左派の理論的指導者。

キャトリンによれば、ラスキは「多元主義 → 自由主義的社会主義 → マルクス主義」と知的展開をしており、その政治思想は「プルーラリズム(多元主義) → コレクティヴィズム(集団主義、団体主義)」だという。中谷義和さんも、ラスキの政治論にはかなりの論調の変化が認められるとし、国家論の展開に即してみても、いわゆる「多元主義的・目的団体的政治論」から出発し、『政治学大綱』(1925年)を境として、LSEのフェビアン社会主義的な環境の中で「修正多元論」ないし「社会主義的コーポラティズム」へと移り、さらには、1920年代末から「マルクス主義的国家論」へ傾倒していった、としている。前2者とほぼ同様に、辻清明さんも「国家主権についての歴史的・法制的研究から多元的国家論の提唱者となった時期」→「1930年代におけるファシズムの台頭に対決してマルクス主義に傾倒した時期」→「戦後、冷戦への憂慮や、大衆民主主義と技術革新の衝撃の下に、議会政治の再評価を試みようとした時期」と、ラスキの思想を区分している。


      ハロルド・ラスキ


また、ラスキの弟子であったミリバンドは、フランスにおいてフーコーに影響を受けたネオ・マルクス主義者のプーランツァスと、〈国家と社会の関係をどう捉えるか〉についての重要な論争をしている。「各領域のエリートの密接な関係のために、国家は〈階級支配の道具〉となる」という国家道具説を唱えたミリバンドに対して、プーランツァスはオコナーの「資本主義国家には〈蓄積機能〉と〈正統化機能〉の2つがある」という説に基づき、「国家は社会から一定の自立性を持ち、また資本家階級の利益を直接的に目指すというよりも、自己存立のために資本主義の再生産を目指すという意味で、国家は〈資本の構造的権力〉である」と、マルクス主義を構造主義的に解釈してみせた。


(つづく)





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高校生でも分かる! ばたおの「現代政治学」案内(1)

政治学とは何か――『政治学』(大嶽秀夫・鴨武彦・曽根泰教、有斐閣Sシリーズ)より

●ディシプリンとしての政治学

学問というものは、専門ごとに通常1つの体系をなしている。それは、別の言葉でいうと、学問を習得する方法、勉強する方法が確立しているということであって、簡単なことから、だんだん難しいことへと進んでいく習得の方法があるということである。だから、プロとアマとの違いが明確で、ここまでやった人はまだアマチュアで、ここまで行った人はプロフェッショナルであるという区別というものがある……では、政治学はどうだろう。政治学は1つのディシプリンとして、体系をなしているのだろうか。




※ディシプリンとは……?
discipline。専門的な知的訓練という意味を含む学問領域のこと。言葉の響きがなんとなくカッコいいので口に出したくなるものの、一知半解で多用していると後で恥ずかしい目に遭うかも知れないので、それには注意しなくてはならないだろう。残念ながらプリンとはあまり関係がない。




かつての政治学は、1つの体系をなしていたし、教育の手順もはっきりしていた。その時代には、まず「政治思想史」を学ぶことで、例えば民主主義の理念と制度を学習した。そして、「政治史」の勉強を通じて、こうした理念が生まれ、現実の歴史の中で実現してきた過程を学習した。その上に、国民主権の概念の前提となる主権論や権力論が「政治学原論」として教えられた。また他方で、統治の学として、行政学がこれを補完した。そして、全体して憲法学との強い連続性を持ち、憲法学の原理論的な意義を持っていた。すなわち、伝統的政治学は、1つのディシプリンとして成立していたのである。

ところが、大衆社会の成立と、心理学や文化人類学などの発展といった要素が背景となり、1950年代に政治学は急速な変化を遂げた。この急激な変化は「行動論革命」あるいは「行動主義革命」と呼ばれ、政治学はかつての体系を崩すことになる。また、官僚制研究や伝統的な行政学の分野では、社会学や経営学における一般組織論が導入された結果、そうした社会学や経営学との境界が著しく曖昧になった。さらに、1970年代にはゲーム理論などが登場し、経済学的・数理的な議論が政治学において台頭した。



●政治学の現状

こういう背景から、政治学とは何かということを、改めて考え直してみる必要がある。つまり、通常の意味での1つのディシプリンとして政治学をとらえるのではなく、別の角度から政治学をとらえる必要が生じてきた……1つの政治現象に、さまざまなディシプリンから接近し、分析することで、現在の政治学が成り立っているのである。


ただし、政治学に固有のアプローチというものもある。すなわち、政治現象に密着した叙述的な研究である。これは2つのレベルで存在する。1つは比較政治制度論(政治体制の制度論的な議論)であり、もう1つは、官僚・政党・圧力団体(利益集団)や政策決定過程についての記述的分析である。

政治学は、それを学ぼうとする学生や若手研究者にとっては、学問の全体像をつかむことが、きわめて困難で、その急速な変化を追うことも難しい学問でもある。しかし、反面では、比較的容易に第一線の研究に追い付くことができるため、若者の挑戦が容易な学問でもあり、それが1つの魅力でもあるといえよう。



(つづく)





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プロフィール

ばたお

Author:ばたお
・1983年大阪府生まれ。大阪府河内長野市在住
・半自給農民、工場非常勤。できるだけ稼がず、できるだけ消費しません。シェアハウス運営
・土と暮らし研究会

【ツイッター】@BATAO_Hetare
【スカイプ】batao2.0
【PCメール】ba1234tao@gmail.com

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